寝ぐせのなおらないミクジンです。
最近立て続けに聞いたセリフがあります。
それは、
「あの人は弱音なんか吐いてなかったぞ」
っていうセリフです。
これのあとには大体、
「だからお前もがんばれ」
「だからお前も気持ちを強く持て」
なんて言葉がくっついてきます。
主に誰かを励ましたり、勇気付けたりしようとして言ってるセリフだと思いますが…。
これを聞いていて、結構な割合で思うことがあるんです。
それはちょっとひどいかもですが、
よく言えるな…
いたいわ~
ってことなんですよね。
励まそうとしてくれる気持ちは本当に嬉しいしありがたいと思う。
でも言ってることは大間違いだよってなることがすごく多い。
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吐いてないのは、お前にだけ
一番『いたい』と思うことは、このセリフを言う人は相手の表面しか見れてないこと。
「あの人は弱音なんか吐いてなかったぞ」
確かに…『あの人』が本当に弱音を吐いてないのならいたくはないと思います。そして世の中にはそんな強い人も確かに存在する。
でも、『あの人』が本当は弱音を吐いていたとしたらどうでしょう。
「いや、弱音吐いてたけど」
という感想しかなくなります。
過去に自分がこのセリフを言われた時も、最近他の人が言われてるのを見た時も同じです。
このセリフを聞く時、大体『あの人』のことを自分も知ってるんだけど、『あの人』はぶっちゃけ吐いてるんですよね、弱音。
ただ、このセリフを言ってる人にはそういう部分を見せていないだけなんです。
要するに、弱音を吐ける人物ではないってだけなんですよ。ただそれだけ。
肝心の『あの人』の本当のところを知らないのに、勘違いしてこのセリフを言っちゃう…いたいですよこれ。
しかも本当のところを知ってる相手にこのセリフを言っているとしたら…。
間違いを正すのも申し訳ないし、ややこしくなってめんどくさいし、「そうだね」ぐらいに受け流すしかなくなる。
どんだけ表面しか見えてないんだよ…。
何も響かず、ただ『いたい』だけですぞ。
相手は◯◯じゃねえ
『あの人』がこのセリフを言う人に弱音を吐けないのも、理由があると思います。
それが心配させたくないから、とかなら分かる気がします。
『あの人』の大切な人だったんですね。
間違ってるのは確かだけど、言葉が悪かったと思います。
『いたい』なんて言ってごめんなさい。
でも見てきた多くは違いました。
それは『あの人』に対しても同じようなことを言ってるって理由。
もう一度セリフを見てみましょう。
「あの人は弱音なんか吐いてなかったぞ」
「だからお前も弱音吐くな」ってことですねこれは。これを言われたら『あの人』は弱音を吐くことができなくなる。
そしたら永遠に『あの人』の本当のところなんか分かるわけがない。
分からないからずっと空回り。
これが多い。
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そしてこのセリフを言う人は、相手の表面しか見れてないのに加えて、自分の考えを押し売りするタイプが多い。
そもそも、だからこのセリフが出てくるのかもしれないけど。
- ◯◯が弱音を吐かなかったんだから、お前も吐くな。
- ◯◯が気を強く持ってるんだから、お前も強く持てるはずだ。
- ◯◯はすぐに切り替えて立ち直ったから、お前にもできるはずだ。
それを信じていて押し売りしてくる。
相手の本当のところを聞こう、という気持ちはこれっぽっちもない。
『◯◯ができたから、お前もできるはずだ』
言ってるのはこれだけ。
時には『あの人』、時には『自分』なんかをよく出して言ってくる。
できればいいけど、できない人もいるよ?
それ言ってる相手は◯◯じゃないんだけど、なぜ一緒にしようとするの?
相手の話をまず聞いたら?
人間はひとりひとり、みんな個性があって世界にひとつだけの花のはずなんだけどな。
できないやつは存在しないとでもいうのか。
弱音は吐いていい
さんざんひどいことを書いた気がするけど、心配して言ってくれてるのはそれこそ痛いほど分かるんですよね。
その言葉で奮い立つ人もいると思う。
本当に気持ちは嬉しい。
でも弱音くらい吐かせてあげようよ。
弱音って、本当に弱ってる時に出てくるもんだと思う。心の中に溜まって溜まって、満杯になる前に吐き出さないとパンクしちゃうよ。
弱音を吐くのって、自分を守るために人に頼ろうって思えてる証拠。そう思えなくなってしまったら、それは本当に危険な状態だと思う。
溢れてくるものを飲み込むしかない。
息ができなくなる。
息ができなきゃ生きていられるわけがない。
頑丈な心もあれば、薄くて弱い心だって絶対にある。みんながみんな平等に強くいれるわけじゃない。
だから弱音を吐くことは必要だと思う。
「あの人は弱音なんか吐いてなかったぞ」
なんて『いたい』こと言ってんじゃねえ。
そう思ってるのはあなただけ。
助かるかもしれないチャンスを潰すな。
選択肢を潰すな。
弱音は吐いていいんだ。